消費者が農家から野菜を直に買うのと同じように、依頼主が大工や設備などの専門業者と直に契約を結ぶのがこのシステムの最大の特徴。基礎をつくる職人も、壁を塗る職人も、電気の配線をする職人も、すべての職人の顔が見えるから安心です。従来のハウスメーカーや工務店の元で、見えないところで使われていた間接経費がすべてゼロに。その浮いた費用で家具を購入することも、あるいは更なるグレードアップに使うことも可能です。
価格が明確になるので、建築家と相談して、どこにどれだけのお金を使うか、予算の配分がとてもすっきりします。また、ムダに高い素材を使うこともなく、下地材と仕上材を兼用したり、依頼主が自ら施工に参加したり、いろんな工夫でコストを下げることも可能です。逆にその分、依頼主が思い入れのある場所や、ここにはこだわりたい、といった部分にドンと予算を充てることも可能です。
一生をそこで過ごす場所だけに、住宅の品質は見逃せないポイント。設計で品質が確保されていても、設計図面どおりに工事が行われなければ品質を満たすことはできません。 そこで重要なのが工事の検査。オープンシステムの工事では、建築家が行う検査として木造住宅で38工程167項目を設定しています。そのうち16工程92項目の検査については、建築家が依頼主へ書面で報告します。 価格だけでなく、あらゆる面でずいぶん風通しが良くなるのがオープンシステムの良いところです。